SPECIAL SESSION

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営業 × サービスエンジニア 対談

医療機器販売のきっかけを生み出す「営業」と、
病院への設置・修理を行う「フィールドサービスエンジニア(FSE)」。
この二つの職種は、どのように連携し、どのような価値をお客様にもたらしているのだろうか。
20年近くにわたって活躍してきた二人の社員から、
連携の秘密と、富士フイルムメディカルの未来について聞いてみよう。

SPECIAL SESSION
齊藤 仁
2008年入社
東京支社東京支店
営業四課
課長
(アカウントセールス)

東京支店のなかでも、江東区や墨田区といった北東エリア5区の対応を行う「営業四課」の課長。主には区ごとに振り分けられた営業職のマネジメントを担当している。さらにはプレーヤーとして、大学病院や基幹病院に向けた営業活動も行っている。マネージャーとプレーヤー、どちらにおいても意識しているのは「相手のことを思いやって、誠実であること」だという。

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矢野 喬志
2003年入社
サービスブロック
東京センター
マネージャー
(FSE)

父親が自営業で看護の医療機器販売・メンテナンスをしていたこともあり、小さい頃から医療機器に関わる仕事人の背中を見てきた。現在は、医療機器の設置や点検・修理を行う「サービスブロック東京センター」のマネージャーを担当。幅広い商品の知識や病院での振る舞い方といった後進の育成を強く意識している。

営業とFSEの職種連携とは?

営業からFSEにバトンをつなぐ。
そこから、チーム連携が始まる
齊藤
医療機器・システムの販売窓口となる「営業」と、商談後の設置や修理を担当する「FSE」の連携は、私たちの基本ともいえます。営業が受注してきた医療機器やシステムをFSEが病院に搬入して設置する、というのが私たちのビジネスの基本的な流れですから。
矢野
確かにそうですね。それぞれ、対応をする段階が違っているとしても、二つあわせて一連の流れとなることには変わりません。さらにいうと、病院に導入する前にも営業とFSEが打ち合わせを行い、「お客様がこういったことを望んでいたからこの仕様にした」という製品仕様や搬入経路について確認して、あらかじめ現場を見に行くといった共同作業もあります。
齊藤
営業とFSEのペアで現場に行く際には、おおよそ三つのパターンがありますね。「同世代同士」「自分より上のベテラン」「自分より下の若手」といったパターンです。その中でも、特に若手の方と現場に行ったり、打ち合わせをしたりする際には、その方がどういったシナリオを描いているのかという仕事の進め方を尊重するようにしています。まずは用意した進め方を聞かせてもらって、大きく外れていなければ、それに沿って進めるように促しています。
矢野
なるほど。私の場合も若い営業の方と一緒に行くことが多いですね。彼らはまだ製品の仕様を完全には把握していませんから、お客様のニーズに対して、どの製品が最適解であるかの判断を下しづらいこともあります。そういった場合の技術面のアドバイスをよくしています。
齊藤
私は自分より上でも下でも、連携を取るときには「分かち合い」が大切だと思っています。医療機器の納品をする前には、社内の担当メンバーで集まってキックオフミーティングを行いますが、その際の日程調整をするのは営業の仕事です。しかし、「この日に集まってください」と半ば強制的に指示するのではお互いに気持ちよく仕事ができません。自分の言動が相手にどのように受け取られるのかを想像した上で、連携を進めることが重要です。
矢野
その通りだと思います。分かち合いという意味では、営業とFSEの連携がお客様の反応につながることもあります。以前、ある案件を進めようとしたときに、金額面で納得してもらえないことがありました。そこで、営業の方と協力して、お客様に納得していただけるような資料を作成し、開発の方にもついて来てもらって説明をしたことがあります。営業とFSEの二人が時間をかけて準備をした、ということを知ってくださり、納得していただけた時にはホッとしました。
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この20年間で変わったことは?

尊敬し合う二人が見てきた、
「変わったもの」と「変わらないもの」。
矢野
齊藤さんと初めて会ったときのことを覚えていますが、話をしてみてすぐにしっかりしている方だと思いましたね。自分の中に芯を持っていて「一年目から違うな」という印象を受けました。
齊藤
なんだか照れますね。私から見ると、矢野さんは求心力を持った方だなと思います。部下からの信頼がとても厚く、「矢野さんがいるから頑張れる」という声をよく聞きます。私の場合は、基本的には自分の立ち位置をバランスよく保つタイプなので、すごく尊敬しますね。部下やメンバーに対して何か意識していることはあるんですか?
矢野
できるだけ私が前に出るようにしています。例えば、病院への機器の設置作業で、施設の都合でどうしても夜遅くに行かなければならないときは「私が行くから若手はいいよ」と言うようにしています。
齊藤
流石ですね。兄貴肌なんだと思います。お互い15年から20年にわたって、富士フイルムメディカルに勤めてきましたが、何か変化を感じますか?
矢野
そうですね、「アナログからデジタル」への大きな変革がありました。私が入社したばかりの頃は、現像機もアナログで機械にこびりついた液体を病院の手洗い場で洗ったりしていました。それが今ではAIが搭載されたシステムを扱うようになり、頭を使う業務が増えたと思います。
齊藤
たしかに。昔はフィルムという「モノ」を扱っていましたが、今は「ソリューション」に変化したことは大きいですね。そういった変化がある一方で、20年の間で変わっていないことは、信頼関係を大切にしていることだと思います。以前は、新規開拓よりもルート営業での販売が多かったのですが、だからこそ、お客様との関係構築が非常に重要な時代だったと思います。まずは関係を作りにいく。そうして関係が生まれてから、ようやく製品・サービスについて話し始める。信頼関係を前提としてやりとりをしているのは、今でも同じですよね。
矢野
そうですね。提供する「モノ」は変わりましたが、信頼関係の大切さは変わっていないですね。最近、営業とFSEの連携のための指標として「FMS WAY」というものが制定されましたが、この指標も社内での連携を円滑にするためのものだと感じます。個々人が持っていた仕事の進め方を大きな枠組みに当てはめてみることで、滑らかな仕事の流れが生まれる。営業からFSEへのバトンがきれいにつながるようにしているのは、社内外の関係構築を大切にしていることの現れなのかもしれません。
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これからの富士フイルムメディカルに必要なものは?

二つの世代をつなげること。
そこから、次世代の富士フイルムメディカルが始まる。
齊藤
今後、やっていくべきこととして、教育の課題があると思います。当社は、他企業と比べて取り扱っている製品の数がとても多いため、覚えることもたくさんあります。手厚い研修があるとはいえ、いざアカウントセールスになって、いろいろな製品・サービスを販売するとなると、一つひとつの製品の特徴や販売スキームなどの知識が必要です。それは、「市場でのシェア率が高い=お客様が多い」からこそ、生まれてくる大変さかもしれませんが、忙しい状況でも楽しんで、しっかりと成長をしてもらえるような環境づくりをしておきたいです。
矢野
そうですね。新しく入ってきている若手の皆さんは、とても素直で自分の意志をしっかりと持っていますが、一方で、私たちよりも上の世代に特徴的な「貪欲さ」が、だんだん弱まってきているようにも感じられます。難しい時代ではありますが、マネージャーとして彼らのモチベーションの源泉をしっかりと見つめてあげて、育成していきたいですね。
齊藤
よく分かります。ジェネレーションギャップは間違いなく存在します。だからこそ、上の世代と下の世代の両方の気持ちを分かってあげられる私たちのような世代が、うまくつなげられるんじゃないかと思うんです。矢野さんがおっしゃるような「モチベーションの源泉」が以前とは変わってきています。これまでは、「収入の多さ」や「仕事のやりがい」がほとんどでしたが、今の方は「自分の時間」や「安定性」がモチベーションの源になっているように思います。もちろん、ガツガツと働きたいという方もいます。
矢野
なるほど。だからこそ、彼らの足りないところを直すのではなくて、モチベーションの源泉に応じて良いところを伸ばすことが大切かもしれませんね。病院での振る舞いや製品知識など必要最低限のことは教えつつ、それぞれの秀でている特性を伸ばしていく、そんな教育をしていきたいです。
齊藤
そうですね、この先、取り扱う製品が変化していっても、富士フイルムメディカルは前に進み続けるでしょう。だからこそ、それを推進する社員一人ひとり、そしてこれから入社してくれる方が、ちゃんと前向きでいられるようにしなくてはなりません。彼らの気持ちをくみ取ってあげて、次世代の富士フイルムメディカルを背負ってもらえるようにしていきましょう。
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